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Goods Column, 11


古本の愉しみ

先日、内藤陳さんの著書「読まずに死ねるか!」にご本人のサインをいただいてしまった、という自慢を別のところにも書いた。実はその「読ま死ね」は古本屋で入手したものだ。長い間捜し求めていたのだけれど、初版から数えてすでに十ウン年。新刊は版元にもすでに在庫なしの状態であった。ところが、出張で行った相模原の古本屋(注1)で、幸運にも読ま死ねを発見。めでたく入手することができた。これもなにかの縁かしらと、このときだけは、出張ばかりの今の仕事に就いていてよかったと思った(笑)。

POPEYE No.72
古本のよいところは、価格が安いこともあるけれど、やはり最大の魅力はこのように今では買うことのできない本が手に入ることだ。読ま死ね以外にも掘り出し物(私にとっての、だけれど)は結構あって、最近では大好きな稲見一良さんの「ソー・ザップ!」(角川文庫、今は絶版)。けっして多くない稲見さんの貴重な著書の中で、これだけが手に入らなかった。それから中学生の頃ファッションの教科書だった「絵本アイビーボーイ図鑑」。穂積和夫さんのイラストが特徴的。そして最大の収穫といえば、やはりライアル「深夜プラス1」のポケミス。これらはどれも、古本以外では絶対手にすることはできなかっただろう。

それから、好きなのが古い雑誌。記事のほかにも懐かしい広告があったりして、とてもノスタルジックな気分に浸れる。よく買うのは自動車誌などだけれど、自分の車の新車当時の広告なんて、ちょっと妙でもある。最近うれしかったのは、1980年発行のポパイ(通刊72号)。なにをかくそう、私が初めて買ったポパイがこれ。昔のポパイは今よりもっと上の世代がターゲットで、当時中学生のガキだった私にはその記事すべてが新鮮で魅力的だった。そしてこの号を何度も読み返し、ポパイ流のこだわりに洗脳された私は、それから高校を卒業するまでずっとポパイを買いつづけた。しかしそれらのバックナンバーは、実家に置いていたから残念なことに親に処分されてしまった。だから久しぶりに読んだこの古いポパイ、うれしいことに本のニオイも当時のままで(注2)、それがまた思い出を強烈に呼び覚ましてくれた。

さて、今そのポパイを読んでみると、現在有名な方達の若かりし頃が紹介されていて興味深い。例えば、今やファッション界の重鎮でユナイテッド・アローズの経営者の一人、栗野宏文氏はまだビームスFの店長だった。また、世界的おもちゃコレクターの北原照久氏も自慢のコレクション(注3)を手に、ファンキーなファッション(笑)で登場。極めつけはLA疑惑で逮捕される前の三浦和義氏。当時は雑貨屋フルハムロードの店長だった。うーむ。これだから古本はおもしろい。[1999/8/17]

注1: この相模原というところは、全国チェーンの有名なリサイクル本屋BOOK OFFの本拠地で、JR横浜線の古淵駅前に本店があり、この沿線(橋本、相模原、淵野辺など)に支店が密集している。お隣の町田にも全国最大規模の支店が最近オープンし、ますます古本地帯と化している。
注2: 不謹慎だけれど、ポパイは当時「ウ○コくさい」と言われていた。インクの関係だと思われる。ちなみに今でもmonoマガなんかは同じようなニオイがする。
注3: 若き日の北原さんが手にしているのは全長50cmはあろうかという、ブリキのボーイング377ストラトクルーザー。すごくカッコイイ。これは欲しい(笑)。

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