Make your own free website on Tripod.com
Goods Column, 18


次のクルマ選び(その2)

renault megane
デッドストックのような'96年式ルノー・メガーヌを雑誌で発見した私は、早速その足で見に行った。ちなみにそのメガーヌのボディカラーは白。かつて私は同じショップのショウルームに飾られていた白いメガーヌを見に行ったことがあり、おそらく今回の個体はそれに違いないと想像する。以前見たときの感想は、とにかくグッド・デザインということ。ボディスタイルが直線基調のBXに対し、メガーヌは楕円をモチーフとした曲線基調。顔つきはどことなく昔のルノー16が思い浮かぶ、クセのある特徴的なもの。猫背なルーフラインはBXにも通じ、私好み。インテリアもよい。ステアリング・パッドやエアふき出し口がやはり楕円をモチーフとし、ブルー系の明るいポップな模様のシートは座り心地もよかった。パワーウィンドウの位置やホーンなどの操作系もBXと同様で、まったく違和感がない。なんというか、フィアットやアルファなどのイタリア車のすばらしく個性的なエクステリア/インテリア・デザイン(注1)に唯一対抗できるクルマが、このメガーヌだと思った。そのメガーヌとの、まるで私がBXの乗りかえを決心するのを待っていてくれたかのような、何年ぶりかの再会。これはやはり運命か?勝手に思い込んでしまったのだった。



幹線道路からやや離れた広い展示場に、メガーヌは野ざらしでおかれていた。ショウルームのピカピカしていた姿をイメージしていた私は、少なからずショックを受けた。室内も、キズ防止と思われるテープなどがあちこちに貼られ、あの素敵なシートもなんとなくくすんで見える。そしてエンジンルームも、走行1500kmにしてはすごく汚れていた。しかしまあ4年オチなんだからと気を取り直し、試乗を申し込んだところ、バッテリーがあがっていて今はエンジンがかからないという。うーむ。どうしたものかと思っていたら、メガーヌの別の中古車があるので、そちらを試乗してみたらという。こちらはシルバーのボディで、'97年式と1年新しいけれど走行距離は1万kmオーバーとだいぶ多い。試乗してみると、これはなかなかよかった。想像どおりの柔らかい乗り心地で、BXに比べるとステアリングも軽く楽チンそのもの。エンジンはフィール的には特徴ないけれど、BXより格段に静かで、トルク感も明らかにBXに勝る。操作系はやはりまったく違和感がなく、中古ということもあいまってすでに自分のクルマのような感じすらおぼえた。「これならBXの代わりにしてもいいな。」そう思いはじめていた。試乗が終わって見積もりを書いてもらう。158万円のプライスタグに対し、諸費用を加えなんだかんだで200万円近くになった。4年オチということはもうすぐ2回目の車検を迎えることになるし、走行距離が少ないといっても、ダンパーやゴム部品なんかはきっとそれなりにヤレているだろうし、またすぐ出費がかさむことになりそうで、思ったより安い買い物ではないなあと思った。また一抹の不安を感じたのはアフター・メンテナンスで、はっきりいってこのショップではあてになりそうになかった。どこかルノーに詳しいショップか、あるいは日産でも面倒見てくれるかなあなどと思いをめぐらす。とにかくその日は帰ることにし、BXに乗り込んだ。BXを走らせていると、やはりメガーヌはBXに近い乗り味を持っていたなあと思う。そして、それならBXから乗りかえる積極的な理由がないじゃないかと気づく。どうせなら、BXとはキャラクターが全く異なるクルマにするべきではないか。すると、メガーヌは私の運命のクルマではない。

■プジョー206
peugeot 206
(c) peugeot japon
それではいったいどのクルマがよいのか。この時点で有力なのは、やはりフォーカスだった。COTY受賞に裏付けられたトータルバランスのよさ、WRCでの活躍も有名なハンドリング・カー。そんなフォーカスは、明らかにBXとは違った魅力にあふれている。と、同じくWRCで活躍するクルマといえば、プジョー206がある。例のツリ目が特徴的な有機体を思わせるボディスタイルは、はじめはちょっと抵抗があった。しかし街で最近よく見かけるようになり目も慣れたのか、かなり気になる存在になっていた。ボディサイズが小さいこともあって、乗りかえ対象には考えていなかったけれど、ダメモトで見に行った。いちおう、ターゲットは5HB/4ATのXTという1.4リットルのモデル。というか5HBプラス4ATはこれしか選べない。ちなみに価格は179万円と、予想外に安かった。試乗車はソリッドなブルーが美しいボディカラー。フランス車ぽくて、買うなら断然この色だと思った。あらためてエクステリアデザインを観察すると、コンパクトなボディにギリギリに配置したタイヤが見るからにコントローラブル。そして走り出してみると、予想は的中。適度に重いステアリングと、抜群の接地感、ローギヤードなのか加速感も充分、まさにファン・トゥ・ドライブ。私にとってはBXでなじんだプジョー製エンジン独特のサウンドもうれしい。また、インテリアもやはりBXに似たタッチ(同じPSAですからねえ)で、メーターデザインもかっこいい。ジグザグゲートのATは、(兄が乗っているメルセデスなんかに比べると)軽くて頼りない感じだけれど、これもなかなか使いやすい。プジョー206、思わぬ伏兵というわけである。しかし、ここでルノー・クリオと同じ問題があった。それは荷室のせまさと、後席のパワーウィンドウがつかないこと。価格はクリオよりずっと安いため、かなりガマンの余地はあるとはいえ、やはり妻は気になるようであった。なお、プジョーのディーラーには昔から大好きな306も展示してあった。しかし現在では5HB/4ATモデルは2リットルエンジンしか選べず、価格も230万円超とやや高い。またフルカラード・バンパーで飾られた姿は、モデル末期ゆえの厚化粧という印象が拭えず、購入意欲はわかなかった。

■シトロエン・クサラ
citroen xsara
(c) 新西武自動車販売
プジョー206のドライビングの楽しさは捨てがたいと思いながらも、どうやら次のクルマはフォーカスになる公算が高そうであった。そして再びフォーカスに試乗してみた(注2)。今度は晴天のよいコンディションで、ドライ路面でのシュアなハンドリングや、ノイズの少なさ、そしてエンジンのスムーズさなどを確認できた。また、206やあるいはBXに比べても格段に広々とした室内は、とてもリラックスした。逆に刺激がないとか、またあいかわらずインテリアは今ひとつなじめないといった悩みを残しつつも、やはりフォーカスは全体的によいという確信を得たのだった。さて、ここまでシトロエンの現行モデルはあえて候補からはずしていた。例えばエグザンティアはマイチェンで丸みを帯びた顔つきが好きになれなかったし、価格も高い。ではクサラはというと、実はキライではない。傾斜したリアウィンドウを持つ5HBモデルのスタイルは、エグザンティアやそしてBXにも似たまぎれもなくシトロエンのものであるし、ボディサイズも手頃だ。しかし、インテリアがまるで先代BMW3シリーズのようなドイツ車的デザインで、これが本当にドイツ車なら何の抵抗もないのだけれど、なまじっかダブルシェブロンがステアリング・ホイールについてたりするだけに、どうにも許せないのだった。またプジョー306同様、クサラの現行5HBモデルはすべてフルカラード・バンパーになり、潔さが感じられない。フランスの実用車は、見た目はもっと貧乏くさいほうがよい(笑)。クサラは乗り心地に定評があるため、試乗してみればきっともっと印象もよくなったかもしれないけれど、ドイツ車のようなシトロエンよりも、本当のドイツ車のフォーカス(注3)のほうがよいと思った。



こうして、次のクルマは当初の本命通りのフォード・フォーカスに決まった。奇しくも雑誌NAVIの2000年8月号で、河西記者がマイカーとして候補にあげた、シトロエン・クサラ、ルノー・ルーテシア、フォード・フォーカスの中から選ばれたのも、フォーカスであった。選定理由もほぼ私と同じであり、ひじょうに共感をおぼえた。なお宮城県ではフォードとマツダのディーラーは同系列であり、ユーノス時代からお世話になっているマツダの営業担当の方(注4)から購入することができたというのも、フォーカスを選んだ理由の一つであったことを付け加えておく。ボディカラーはブルーにするかシルバーにするか、少し悩んだけれどシルバーにした。その他、詳しいインプレッションなどは、機会があれば当サイトでお伝えしていきたいと思う。[2000/10/6]

注1: 例えば、クーぺ・フィアットやフィアット・バルケッタ、アルファ156などのデザインはカッコイイのひとことだ。ちなみにフィアット・プントも大好きなのだけれど、ちょうどマイチェンがあってデザインが変わったため、今回の乗りかえの候補にはならなかった。また、フィアット・ブラーバなんてまさに私の好きなクルマで最有力候補なんだけれども、惜しむらくは日本に正規輸入されていないのだった。(ブラーバは5ドアHBモデルで、3ドアHBのブラビッシモ/ブラーボは日本にもある。)
注2: 2回目の試乗は、1回目のときとは別のディーラーでやりました(笑)。余談だけれど、その時相手をしてくれた方が若くて気さくな方で、その方の厚意でジャガーのSタイプやXJR(4リットルV8スーパーチャージャー!)なんかも試乗させていただきました。もちろん私の日常とはかけ離れた、縁のない世界のクルマでした。
注3: 正確には、日本仕様のフォーカスはフォードのスペイン工場で生産されている。とはいえ、設計はドイツ・フォードを中心に行われた。
注4: この営業さんは過去にBXに乗っていたことがあり、とても頼りになる方です。現在はZXシュペールに乗っておられますが、他に不動車のBX16Vをお持ちで、密かにリストア中らしい。

BACK   NEXT Citroen Plus One