バディ・リーとオシュコシュ・ベア
バディ・リーという人形をご存知だろうか。ジーンズメーカーの Leeが、1920年頃に販促目的でつくったノベルティで、現在ではコレクターズ・アイテムになっている。コンディションの良い物は20万円以上のプレミア価格がつくらしい。体長約30cm、パッチリした目と幼児体型(注1)。とある古着屋で実物を見たことがあるけれど、なるほどイイ雰囲気があった。
バディ・リーがかくも珍重される理由は、数が少ないこともあるけれど、やはり彼に「着せてある」ウェアのディテールにあると思う。Leeのネーム・タグはもちろん、バックポケットには例の波型( 〜 )のステッチ、生地・縫製も Lee Riders 101等のオリジナルと同様で、リヴェットも付くという懲りよう。スタイルはジーンズ+シャツ、オーバーオールなど色々で(全部で17種類)、帽子やバンダナなどのアクセサリーも重要。これらアクセサリーの有無で値段が大きく違うらしい。
話は変わって、OshKosh(オシュコシュ、正確には OshKosh B'Gosh社)という、私の好きなワークウェアのメーカーがある。ヒッコリーストライプのオーバーオールが特に有名で、レーガン元大統領も子供の時に着ていたとか。私はここのカバーオール、チノパン、シャンブレーシャツ等を愛用。なかでもカバーオールは、ヒッコリーストライプのから始まって、ブラウンダック、ライトオンス・デニムの3着を所有。他のアイテムも数着ずつあるから、思えばずいぶん世話になっている。数年前に日本法人ができてからは値段も安くなり、普通のショップでも売られるようになったのはうれしい。反面、Made in U.S.A.以外の製品が増えてしまったのは悩ましいところか。OshKoshには子供服もあって、なんでもアメリカ本国では一、二を争う人気らしい。そんなわけで、うちの子供達にもジージャンやカットソー類を好んで着せている。まあ、親の趣味を押しつけられる子供のほうは、いい迷惑かもしれないけれど(笑)。
OshKoshには珍しいオンリー・ショップが、妻の実家のある群馬県高崎市にあった。あった、と過去形なのは閉店してしまったからで、里帰りのたびに通っていたのに残念でならない。そこの閉店セールのとき、OshKoshのオーバーオールを着た体長約30cmのクマのぬいぐるみを買った。"オシュコシュ・ベア"とでも呼べばいいのか、伝統のヒッコリーストライプ、本物と同じネームタグとスナップ・ボタン、つくりも丈夫でなかなかのものだ。赤いバンダナ(これにも OshKoshのロゴがプリントされている)もいいアクセントになっている。あと何年かしたら、バディ・リーのようにプレミアムがつくんじゃなかろうか?まずはバディ・リーにならって名前を公募して(注2)、そして...やっぱり無理か(笑)。[1999/1/25]
注1: |
まったくの余談だけれど、長女が1歳くらいのときオーバーオールを着せてみたら、これがバディ・リーそっくりで驚いた(笑)。マニアな人にさらわれてしまうんじゃないかと、本気で心配したものだ(ちょっと嘘)。 |
注2: |
1919年12月27日のイブニングポスト誌でネーミングを募集した。 |
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