ライバル・ブランド 昨今のアウトドア・ブームのあおりか、私がよく行く地元のショッピング・モールには、L.L.ビーンとエディ・バウァーという、アウトドア・ウェアの分野ではいわばライバル・ブランドのショップがふたつ、隣り合っている。よく東のビーン、西のバウァーといわれるが、どちらもエポック・メイキングな商品を産み出した(注)歴史があるブランドだけに、まさに両雄並び立つという感じだ。品揃えがかなり近いから、客の取り合いになるんじゃないかと心配になるのだけれど、逆によい意味での相乗効果になっているようだ。これはお互いにライバルと認め合い、よいバランスを保っているからであろう。
そのコンバースは1908年創業。1917年発売のバスケット・シューズ、オールスターは、当時のNBAのスター選手、チャールズ・H・テイラーが使用し、爆発的にヒット。彼の愛称、チャック・テイラーのサインは今もオールスターのマークに残されている。対するプロ・ケッズは1892年創業のUSラバーカンパニーを母体とし、同社のシューズ部門が1917年にケッズ・ブランドのスニーカーを発売したのがはじまり。ケッズ(Keds)は"Peds"(足)と"Kids"(子供)を組み合わせた造語。そのケッズのプロ・ユース・ブランドとして1958年にできたのが、プロ・ケッズ。プロ・ケッズのロイヤル・シリーズのバスケット・シューズは、コンバース・オールスターに負けず劣らぬ人気を博し、1960年代のアイビー・リーガー達に愛用されたことでも有名。ちなみに私はどちらかといえばプロ・ケッズのファン。しかし今のプロ・ケッズはアジア・メイドの製品ばかりで、デザインも模倣したようなものが多く、いただけない。街でもコンバースを履いている若者のほうを多く見かける気がするし、プロ・ケッズはもっとがんばってほしいものだ。 さて、なぜナイキとアディダスではなくコンバースとプロ・ケッズなのか、さらになぜプロ・ケッズが好きかというと、実は雑誌のポパイに昔(約20年前)載っていた、プロ・ケッズの忘れられない広告があるのだ。それは、くたびれた片足ずつのコンバース・オールスターとプロ・ケッズ・ロイヤルが並んで描かれたイラストと共に、こんなコピーが書かれていた。
...そしてこう付け加えてあった。
なんとも粋で、自信にあふれているではないですか。[1999/5/26] ※追加 [1999/9/19] そのプロ・ケッズの広告が載っていたポパイ(1979年8/10発行 通刊 60号)を見つけました。コピーは正確には以下の通りでした。
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