"Midnight Plus One" The Movie
- cast -
- ■ ルイス・ケイン = "カントン" (Lewis Cane = "Caneton")
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もし、背の高い、痩身の、四十歳のイギリス人を探せということにでもなった場合、警官が私を見過ごすことを期待しているのだ。
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実はキャスティングで一番悩んだのがカントン。私のカントンのイメージは、ハンサムでインテリ風、一見クールな感じ、、、。ということで最初に考えたのは、ケビン・コスナー。ただ彼はハンサムというかベビーフェイスすぎるのが気になった(「ボディガード」(1992年)のときなんてカッコよすぎ)。もうちょっと陰のある雰囲気が欲しい。で、ポール・ニューマンである。ロス・マクドナルド原作の「動く標的」(1966年)で演じたハードボイルド探偵=リュウ・ハーパー役がもっとも近いだろうか。風貌はもちろん、引き受けた仕事は決して投げ出さない男というところがまさにピッタリだ。年齢的にもほぼ合っている(当時ニューマンは41歳)。しかしなにより、私が彼の大ファンであるというのが一番の理由。
ケビン・コスナー (Kevin Costner)
1955年生 国籍:アメリカ合衆国
画像は「ボディガード」[原題:THE BODYGUARD](1992年)より
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ポール・ニューマン (Paul Newman)
1925年生 国籍:アメリカ合衆国
画像は「引き裂かれたカーテン」[原題:TORN CURTAIN](1966年)より
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- ■ アンリ・メラン (Henri Merlin)
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お互いに両手を握り合った。十年ぶりだ。戦後はほとんど逢っていない。だいぶ老けている。もう五十を過ぎているはずだが、上品に、裕福に年を重ねてきたようだ。
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カントンのレジスタンス時代の仲間で、フランス人、弁護士のアンリのイメージとして、なぜか最初に頭に浮かんだのがリチャード・ドレイファスであった。彼の演じた数々の役どころのどれが合っているとか明確な理由もなく、しかも生っ粋のアメリカ人なのに、だ。どうも、太目の体格、はげ上がった頭(失礼)、そしてなにより飄々とした憎めない感じが、ハマッているように思えるようだ。
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リチャード・ドレイファス (Richard Dreyfuss)
1948年生 国籍:アメリカ合衆国
画像は最近のインタビュー時のもの
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- ■ マガンハルト (Maganhard)
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マガンハルトは五十歳くらいであろう。年齢が顔にあらわれていた。肉づきのいい角張った顔を疑い深そうにしかめていた。
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大物実業家、マガンハルトはロバート・ショウ、、、というか、「スティング」(1974年)のギャングのボス役のそれがピッタリだと思った。ちなみにロバート・ショウという人はむしろ「ジョーズ」(1975年)の鮫漁の船長役とか、ワイルドな役が本流。余談だが 007の「ロシアより愛をこめて」(1964年)の有名な殺し屋役(レッド・グラント)も彼だと知ったのは最近のこと。
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ロバート・ショウ (Robert Shaw)
19??年生 国籍:アメリカ合衆国
画像は「スティング」[原題:The Sting](1973年)より
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- ■ ヘレン・ジャーマン (Helen Jarman)
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純真と高慢が同居している顔である。別に珍しいコンビネーションではないが、その二つの要素が溶け合って彼女のような美しさになっている例はあまりない。
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マガンハルトの秘書、ヘレン・ジャーマンの「純真と高慢が同居している顔」というフレーズで、すぐさま思い浮かんだのがショーン・ヤング。正確には彼女の出世役、「ブレードランナー」(1982年)の美しきレプリカント、レイチェルだ。一見悪女、でも実は素直で献身的というところもピッタリ。
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ショーン・ヤング (Sean Young)
1959年生 国籍:アメリカ合衆国
画像は「ブレードランナー」[原題:BLADE RUNNER](1982年)より
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- ■ ジネット・マリス (Ginette Maris)
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濃い栗色の髪、陽焼けをしらぬ柔らかく透きとおるような肌、そして私の脳裡を離れたことのない憂いを含んだいたずらっぽいほほえみであった。
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ジネットのキャスティングも難しかった。単に美人というだけでなく、にじみ出る優しさと、反面芯の強さも兼ね備えている女性となると、、、。ひらめいたのが「デーヴ」(1993年)で大統領夫人役を演じた時のシガーニー・ウィーバー。毅然とした、正義感あふれるファースト・レディを好演していて、かなりイイ線だと思うのだけれど。なおジネットは危険な行動もいとわず、銃も扱えなければならないけれど、エイリアンと渡りあえるシガーニーなら文句なしでしょう(笑)。
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シガーニー・ウィーバー (Sigourney Weaver)
1949年生 国籍:アメリカ合衆国
画像は「デーヴ」[原題:Dave](1993年)より
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- ■ フェイ将軍 (General Fay)
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ずいぶん年をとっている。男の顔を見ていると、年のことは考えないくらい年をとっている。細長い顔が干からびたお面のようにしぼんでいて、あごの下に皮膚が垂れ下がっていた。
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フェイ将軍には、ジーン・ハックマン。すでに老齢の域に達した彼が「クリムゾン・タイド」(1995年)で演じた、頑固で策略家然とした軍人(潜水艦の艦長)役は、フェイ将軍の狡猾さに迫るものがあった。さらには、食えない感じの顔つき、裏があると思わせるキャラクターがいい。しかし、かなりの特殊メイクは必要そうだ(笑)。
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ジーン・ハックマン (Gene Hackman)
1931年生 国籍:アメリカ合衆国
画像は「クリムゾン・タイド」[原題:Crimson Tide](1995年)より
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- ■ アラン (Alain)
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二人とも南部地区で優秀なレジスタンスの闘士だったが、終戦の時に武器を手放したがらなかった連中である。結局、いまだに武器を商売道具にしている。
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※追加 [1999/5/19]
前にご紹介したgabyさんから、「アランのキャスティングにニコラス・ケイジを」というご意見をいただきましたので、追加です。すごくよいと思うのですが、私はニコラス・ケイジは「ザ・ロック」(1996年)くらいしか観てないものですから(恥)、お勧め文も gabyさんにお願いしてしまいました。以下がそれですが、すばらしい文章をありがとうございました。> gabyさん
カントンが護衛の為にメランに要求した最初のガンマンが、アランと彼の相棒のベルナールであり、「味方になってくれるのであれば、道義的なことには目をつぶってもいい」とまで思わせる程の連中である。つまり、名実共にヨーロッパで最高のガンマンがアランなのだ!しかしながら本作品中ではアランに関する記述は皆無であり、おまけに一言も喋らない。なのに圧倒的な存在感は、読者の胸に深く突き刺さる。そんな役にぴったりな私のイチオシ俳優がニコラス・ケイジです。「リービング・ラスベガス」(1995年)での見事な演技、「コンエアー」(1997年)でのナイスなアクション、どれを取っても素晴らしいです。きっと見事で壮絶なガン裁きを披露してくれることでしょう。そして、あの眉間のしわ、ちょっと?薄くなった頭髪、髭の濃い頬に男のセクシーさを感じるのは私だけでしょうか〜(笑)    [Text by gaby]
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ニコラス・ケイジ (Nicolas Cage)
1964年生 国籍:アメリカ合衆国
画像は「ザ・ロック」[原題:The Rock](1996年)より
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- ■ ハーヴェィ・ロヴェル (Harvey Lovell)
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二本の深いしわが鼻を通りすぎて口元に達し、目元にもしわが見えた。ひたいにはつくりつけたような溝が刻みこまれていた。それでいてそこからなにかをよみとれるような表情はまったくなかった。ただしわがそこにある、というだけのことであった。
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ハーヴェイ・ロヴェル=スティーヴ・マックィーン。これだけは譲れない。常に利腕をあけておくプロ中のプロのガンマンであるハーヴェイ。しかしまた彼はアル中という秘密を持ち、己との闘いに苦しみ悩んでいる。いっぽう「ゲッタウェイ」(1972年)でみせたマックィーンのリアルなガンさばきと、身のこなし、さらには逃避行を共にする妻(アリ・マッグロウ)とのやりとりに見せた苦悩の演技、、、。もう、この組み合わせ以外には考えられない。ただ、年齢的にはハーヴェイはカントンより三つ、四つ若いらしいので、「ブリット」(1968年)のときのマックィーンのほうがピッタリ(当時38歳)かもしれない。
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スティーヴ・マックィーン (Steve McQueen)
1930年生(1980年死去) 国籍:アメリカ合衆国
画像は「ゲッタウェイ」[原題:THE GETAWAY](1972年)より
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