「深夜プラス1」を映画化すると?...私同様のライアル・フリークで、ネット上で懇意にしていただいている gabyさんのBBSで、そんな話題がのぼったことがありました。キャスティングから監督、はては音楽まで、ああでもない、こうでもないとちょっと盛り上がったのでした。それをもとに私なりにまとめた結果を、ここに発表します。
そもそもは、昨年末のあたりに何度目かの「ゲッタウェイ」(1972年)を観た時、主演のスティーヴ・マックィーンにしびれ、「深プラを映画化するなら、ハーヴェイを演るのはマックィーンしかない!」と思い、それを私がメーリングリスト( Guns & Flowers )で発言したところ、gabyさんが「じゃあカントンは?」ときたのが話の発端。そんなわけで私のチョイスはベースにまず「ゲッタウェイ」があり、あとはもう私の好みと主観だけによるもの。その結果、キャスト、スタッフともに時代がバラバラで節操の無いものになってしまった。 キャストは重要と思われる人物だけ挙げてみた。他にも冒頭に登場するデザイナーのメルセデス・メローニイことロン・ホプキンズとか、アランとベルナールのガンマン・コンビ、ジネットの執事のモーリスなど、いろいろ魅力あるキャラクターはいるんだけれど、、、。なおキャストの選定理由は、それぞれの名前からリンクすると詳しく書いてあります。 スタッフも主要なところだけ、まず脚本には「ゲッタウェイ」の脚本陣のひとりでもあるウォルター・ヒルと、そして原作のライアル本人にもやってもらいます。ヒルは私の大好きな映画監督のひとりで、「48時間」(1982年)や「ストリート・オブ・ファイアー」(1984年)など、魅力あるアウトロー的ヒーローを撮らせたら第一級なので、ほんとはいっそ監督もと思うくらいだけれど、ここは脚本で押さえておく。それからライアルは、当初マクシム少佐シリーズはTVドラマのベースとして書いたらしいので脚本もお手のものかなと。 音楽のクィンシー・ジョーンズは、これも「ゲッタウェイ」から。さりげなく効果的なBGMを期待。ちなみに gabyさんのイチ押しはマイルス・デイビスで、gabyさんいわく「『死刑台のエレベーター』の再来!」とのこと。あの胸に迫る旋律、うーん、確かにこっちのほうがいいかな。それと、スティングの挿入歌は「レオン」(1994年)のエンディングの "Shape of my heart" のような切なく淡々としたやつを、やはりエンディングのタイトルバックに流します。ちなみにスティングのヒット曲に "English man in NewYork" というのがあるけれど、カントンは "English man in Paris"、、、なんてのは拙い洒落でした。 そして最も重要な監督は、もちろん「ゲッタウェイ」のサム・ペキンパーに落ち着くのだけれど、他にもいろいろ候補はあった。前述のウォルター・ヒルも然り、あとは gabyさんが挙げてくださった「明日に向かって撃て!」(1969年)などのジョージ・ロイ・ヒルなら、ポール・ニューマン主演ということで黄金コンビだし、ちょっとノスタルジックな逃避行劇になってユニークかなとも思う。しかし、やはり私は「ゲッタウェイ」の、あのハード&クール、かつリアルなアクションシーン、そしてなにより全篇に溢れるリリカルな雰囲気こそ「深夜プラス1」にはふさわしいと思うのだ。 ところでマックィーンとニューマンは、実は私の好きな俳優のベスト2なんだけれど、ふたりが共演したのは(私の知る限り)「タワーリング・インフェルノ」(1974年)だけなんですね。この作品は他にも多くのスター達が出演する豪家キャストで、反面ふたりのカラミが少なく、ファンの私には物足りなかった。だからこの夢の共演を、「深夜プラス1」で存分に、、、それはもちろん、もはや実現不可能だけれど、観てみたかったと心からそう思うのだ。 [1999/5/10]
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